2009年11月 | 燦燦太陽光発電.エコ - 4

2009年11月

ウィーンの原子力発電所が太陽光発電所に

2009年11月17日(火)

太陽光発電が普及してくると原子力発電所も復活する。エコ志向人間はえっ、と思うだろうがこれは本当の話だ。太陽光発電は天候に発電量が左右される。供給電力のうち太陽光発電の割合が増えると、電力供給が不安定になる可能性がある。その解決策の一つがスマートグリッドなのだが、電力会社は電力安定供給のために原子力発電所の増設を考えている。将来全部の原子力発電所を停止することが決まっていたドイツすらその政策を見直し、エコ社会が実現するまでという前提ながら原子力発電所の復権に踏み切った。このような流れの逆の話題はないかと探したところ、見つけた。

オーストリアの話題だ。半年ほど前と少々古い話題だが、共同通信の6月26日記事から一部を引用する。

ウィーン近郊に1970年代に建設され、一度も運転することなく廃止されたツウェンテンドルフ原子力発電所で太陽光パネル300枚が設置され25日、発電が始まった。不要になった原発で太陽光発電を行う例のない試みで、計画を進めた地元電力会社は「エネルギーの将来を考える上で歴史的な日だ」と述べた。

ツウェンテンドルフ原発はウィーンの西約50キロにあり、オーストリア唯一の原発として完成状態にあったが、1978年の国民投票で操業しないことが決まった。発電所の施設はその後、地元電力会社が買収し、国外の原発技術者の訓練が行われている。

電力会社は120万ユーロ(約1億6千万円)をかけて原子炉建屋の屋上やその周りに太陽光パネルを設置した。来月中に計1千枚に増やす予定で、年間の発電電力量は18万キロワット時と、好天時の日中には数百世帯分の電力を賄えるとしている。(C)共同通信

ウィーン近郊にあり1970年代に建設されたオーストリア唯一の原子力発電所は、1978年の国民投票で一度も運転することなく廃止が決まった。1978年というともう30年前。そのような昔に、オーストリアは「反原発」の意識が高い国だったのだ。

そしていま、その運転されていない原子力発電所に太陽光発電システムが設置された。年間の発電量は18万キロワット時、というから、出力はだいたい180キロワットクラスと、大きな設備ではない。建設費は円換算で1億6千万円とのことなので、1キロワット当たりの建設単価は90万円程度。この記事が書かれた6月はユーロ高と思うので、円換算では少し高めになるかもしれない。どちらにしてもまあ順当な建設費だし、原子力発電所が太陽光発電所に装いを変えてスタート、ということは実に意義深い。

このオーストリアの状況を見て、原子力発電所の復権を果たしたお隣ドイツの市民はどのように感じているのだろうか。

建物同士で太陽熱を融通

2009年11月18日(水)

11月17日朝日新聞サイト埼玉版記事「太陽熱 隣のビルにおすそ分け」から。

◇オフィスの空調用 余ったら・・・ホテルの調理室へ
熊谷でモデル事業

熊谷市と東京ガスは、太陽熱エネルギーを建物間で融通しあうモデル事業に取り組む。エネルギー使用の頻度や時間帯が異なる建物を熱融通導管でネットワーク化、効率よくエネルギーをやりとりしてロスを少なくしようというもの。国内最高気温を記録、年間の快晴日も多い熊谷の気象条件を生かした試みで、年間計約11トンの二酸化炭素(CO2)削減効果を見込む。

同社熊谷支社(熊谷市)の屋上にある既存の太陽熱収熱器を利用し、支社と市道を挟んで6メートルほど離れたホテルを結ぶ仕組みで、国土交通省のモデル事業にも認定された。

太陽熱は通常、支社内の冷暖房や給湯に使われているが、春や秋、週末などは空調需要が少ない。一方、ホテルでは調理室の給湯用などとして安定した需要があるため、余剰分をホテル側に供給することで効率を高める。

事業費は約3千万円で、半分は国の補助を活用するという。支社屋上には太陽光発電パネルやガスエンジンコージェネレーション(熱電併給)システムも設置、供給用ポンプの動力などをまかなう。

東京ガスによると、所有者の違う民間の建物で太陽熱を融通するのは国内初という。地球温暖化対策が急務となる中、一般の建物間で太陽熱を融通し合い有効活用するシステムは将来性が期待される。ただコスト面などの課題もあるため、11年度末までにデータを集め、事業可能性を探る。(C)朝日新聞

建物間で太陽熱を融通する国内初の試みで、概要は次のとおりだ。東京ガスの熊谷支社の屋上には太陽熱収熱器があり支社内の冷暖房・給湯に使用されている。オフィスなので週末や春・秋はその空調需要は少ない。その余った太陽熱を、同支社から6メートルほど離れたホテルに供給しよう、という試みだ。ホテルでは調理室の給湯などにそれを利用する。

東京ガス支社屋上の太陽熱収熱器は、太陽熱を液体の媒体に吸収させる装置だ。最新型の太陽熱温水器はこれを利用するタイプとなっており、その熱を吸収した液体を熱交換器に通して水をお湯にする。太陽光発電は太陽エネルギーのせいぜい2割しか利用できないのに対し、この太陽熱を利用するシステムは太陽熱の5割以上は利用できるという点で優れたシステムだ。

さて同支社側には、熱を吸収した液体をホテル側に送る装置が必要になる。そのポンプなどの動力電源用として、太陽光発電や(東京ガスらしい)ガスエンジンコージェネレーションシステムを設置する、とのことだ。ちなみにガスエンジンコージェネレーションシステムは、ガスを燃焼させて発電させ、余剰熱で給湯を行う装置だ。

この事業費は3千万円で、半分は国の補助、とのことだ。ということは、東京ガスとホテルの負担分は併せて1500万円だ。余った太陽熱を他の建物に融通することは自然エネルギーの有効利用という観点から大変すばらしい。しかし現状では費用がかかりすぎるように思う。

この発想を敷衍させ、ある街の地区全体がこのようなシステムを持つことを考えてはどうか。つまり、各建物の屋上に太陽熱収熱器を置き、熱を吸収した液体をソケット一つでメインパイプに接続し、その熱を各建物の給湯・空調に利用する、というアイデアだ。ここまでやれば太陽熱を無駄なく利用できる。国・自治体の補助は必要と思うが、これが実現できれば理想的エコ都市となるだろう。

島根県の太陽光発電設置補助金

2009年11月19日(木)

今日は島根県の話題。毎日新聞サイトの島根版11月18日記事「温暖化防止:太陽光発電に補助 県が来月から制度実施 /島根」から一部を引用する。

地球温暖化防止と、石油に代わるエネルギー利用の定着に向け、県は12月から、住宅への太陽光発電システム設置に対する補助制度を実施する。最低1基の太陽光発電システムと、そのほかに非石油エネルギーの温熱装置や省エネ機器を設置すれば、それぞれに対して補助を受けることができる。県ではまた、この制度の受付業務を委託する団体の募集も開始した。

同制度は今年度9月補正予算で5100万円を計上している。個人の設置者が対象。補助の対象となる設備は、太陽光発電システム(必須)と、太陽熱温水器、薪(まき)ストーブ、ペレットストーブ、LED(発光ダイオード)による照明機器。補助率は、発電システムがキロワットあたり4万円で、3キロワットが上限。ほかの設備については、費用(1万円以上)の10%以内。1人への補助の合計は15万円以内。補助件数は340件だが、申請額の合計が予算額に達した時点で終了する。申請受付は12月1日からで、来年3月20日までに設置工事が完成しなければならない。
...(C)毎日新聞

12月1日から島根県が募集する、太陽光発電設置補助金の話題だ。この記事よりは、島根県ホームページ中の「平成21年度「島根県住宅用太陽光発電等導入促進事業補助金」について」の方がわかりやすいかもしれない。

それによれば、補助の対象は次のとおりだ。

3.補助対象者
島根県内の住宅(店舗、事務所等との兼用は可とする)に太陽光発電システムを設置、若しくは太陽光発電システムが設置された島根県内の建売住宅を購入する者で、下記4.に掲げる補助対象設備のうち、太陽光発電システムのほかに1種類以上の補助対象設備を設置し、それぞれの補助対象設備についてこの補助金の交付を受けようとする者。
...
4.補助対象設備
(1)太陽光発電システム(必須)
(2)太陽熱温水器
(3)ペレットストーブ
(4)薪ストーブ
(5)LED(発光ダイオード)照明機器
※(2)~(5)の補助対象設備については補助対象経費(設備額)が1万円以上であること(1万円未満の場合は補助金交付の対象としない)。

単に太陽光発電システムだけでは補助は受けられない。太陽光発電システムの設置の他に、太陽熱温水器・ペレットストーブ・薪ストーブ・LED照明機器の4つのうちのいずれか一つ以上(ひとつについて設備費が1万円以上)を設置する必要がある。このうち、太陽熱温水器はエコ製品、LED照明機器は省エネ製品だ。ペレットストーブは廃材の有効利用に役立つが二酸化炭素は排出する。薪ストーブ、これは間伐材などの有効利用にはなるだろうが、これまた二酸化炭素は排出する。この二酸化炭素を排出するストーブ2種が補助の対象、ということは、この補助がエコのみの観点ではない、ということか。

補助金額は次のとおりだ。

5.補助率
(1)太陽光発電:4万円/kW(上限3kW、12万円)
(2)その他の設備: 補助対象経費(1万円以上)の10%以内
(1)と(2)を合わせて上限15万円

太陽光発電については、1キロワット当たり4万円という数字は、県レベル補助金としては普通の金額だろうが、上限が3キロワットは少ない。

なお島根県内市町村の太陽光発電設置補助金を見ると、松江市の補助金は1キロワット当たり9万2500円と手厚い。続くは、大田市、安来市の1キロワット当たり7万円だ。

福井県の太陽光発電補助金人気

2009年11月20日(金)

今日は福井県の話題。朝日新聞サイト福井版の11月19日記事「人気の住宅発電 太陽光補助底つくかも」から。

住宅の太陽光発電設備に国、県、市町が補助する制度が人気を集めている。県が今年度当初予算に計上した3600万円(4キロワットの設備で250件分)の枠は8月で使い切り、9月の補正予算で5040万円(同350件分)を追加した。11月中旬までに累計で約500件の申請があり、枠の残りは100件分程度。冬は工事が減るとはいえ年度が終わる前に底をつく可能性もある。
...
補助申請の国、県、市町の共通窓口になっている県地球温暖化防止活動推進センター(エコプランふくい)によると、11月18日までに490件を超す申請があった。補助決定は4、5月は40件台だったが、9、10月は80件台に増えた。
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県の担当者は残り枠について、「上限の4キロワットまで設置しない場合もあり実際の補助件数は予定より増える。冬季は工事が減るので不足しない」とみる。来年度以降の対応について、「継続できるよう予算要求していきたい」としており、焦る必要はなさそうだ。各市町の補助にも枠はあるが、超過すると補正予算で対応するケースが多い。一方、県消費生活センターには訪問販売で太陽光発電設備を強引に契約させられたとの相談も寄せられている。県は「自分自身でも情報を集め、契約を急がされることのないようにしてほしい」と呼びかけている。
...(C)朝日新聞

福井県の太陽光発電設置補助金は、1キロワット当たり3万6千円、上限4キロワット。県レベルの補助金としては普通の金額だ。雪国の福井県でも太陽光発電は人気があり、この県補助金の予算を使い果たしてしまいそうだ、という本日の引用記事内容だ。

記事によれば、4月にスタートした今年度当初予算分は3600万円(250件分)は8月で使い切り、9月の補正予算で5040万円(350件分)を追加したが、11月中旬で残りの枠が100件分程度になってしまった、とのこと。冬は工事が減るとはいえ年度が終わるまでに予算が底をつく可能性があるそうだ。ただ県の担当者は楽観している、とのこと。

なお福井県内の市町村の補助金は、上記の県のホームページの最後の方に載っている。補助金額はすべて横並びで、1キロワット当たり1万2千円、上限4キロワットだ。県内市町村の補助金額がすべて横並び同一、という県は福井県が初めてだ。福井県は市町村への「行政指導圧力」が強い県なのだろうか。

それはともかく、国の補助金7万円と県・市町村の補助金を合わせると、県のホームページにあるように、1キロワット当たり11万8千円の補助額となる。これは、設置費の2割弱となるのでかなり大きな金額だ。

ただ、県の予算は1億円を切っており、他県よりは少ない。福井県は来年度は予算を小出しにせずまた補助額を増やすこと、また県内市町村が横並び補助額を止めることが望まれる。

愛知県の太陽光発電システム設置補助金

2009年11月21日(土)

今日は愛知県の話題。愛知県住宅用太陽光発電施設導入促進費補助金によると、愛知県は日照時間が多いため太陽光発電に適した地域であり、住宅用太陽光発電システムの導入件数はなんと全国第一位だそうだ。

太陽光発電システム設置補助金は、県レベルでは仕組みが通常と少々異なる。「市町村との協調補助」という言い方をしており、市町村の補助の一部を県が補助する、という仕組みだ。住民が補助金を申し込むのは市町村であり県ではない。そして県の補助金が市町村の補助金に上乗せされるのではなく、住民が受け取るのは市町村の補助金額である。しかし市町村には県から定められた補助金が支給される、という仕組みだ。

この県レベルの補助金額は、市町村補助額の1/4か、1キロワット当たり5千円の安い方の金額。市町村の補助金が1キロワットあたり2万円の場合、そのうちの5千円が県の補助金、という計算だ。他県と比べると実にケチ臭い金額だ。そして補助予定件数が4,000件、というから、予算総額はたったの2千万円。億を超えている県があるのというの、大都市名古屋市を抱える愛知県がたったのこれだけとは情けない。

県のホームページ中にある愛知県内市町村の太陽光発電システム設置補助金を見ると高い順に、安城市・飛島村は10万円/Kw、刈谷市9万円/Kw、豊橋市・田原市8万円/Kw、小牧市7万5千円/kw,名古屋市7万円/Kwと続く。一番低いのは岡崎市・半田市・春日井市・津島市・西尾市・常滑市・江南市・東海市・岩倉市・大口町・阿久比町・美浜町・武豊町の2万円/Kwだ。さすがに太陽光発電システム設置の先進県だけのことはあり、補助金を出しているし市町村は多い。

なお太陽光発電システム補助金のみならず、高効率給湯器設置補助太陽熱高度利用施設設置補助もあるようだ。


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