2011年5月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2011年5月

特別養護老人ホームに太陽光発電

2011年05月01日(日)

福祉施設、それも公的ではない福祉施設への太陽光発電設備の導入例は意外に少ない。このブログでも昨年3月23日記事「福山市の介護施設の太陽光発電」で紹介した程度だ。今日の話題は、かなり古いニュースで恐縮だが、特別養護老人ホーム施設への太陽光発電設備の設置の話題だ。昨年2010年3月28日の神奈川新聞のカナロコサイト記事「特養ホームに太陽光発電システム設置/横浜」から一部を引用する。

社会福祉法人孝楽会(梅沢健治理事長)の特別養護老人ホーム「けやき荘」(横浜市神奈川区菅田町)に太陽光発電システムが設置された。発電量は最大で年間約63キロワットで、約20トンの二酸化炭素排出を抑制できる。同ホームによると、特養ホームでは関東で最大規模の発電量という。

同ホーム創設10周年の記念事業の一環。屋上に350枚の太陽光パネルを設置し、発電量は同ホームで使用する電力の約1割に当たり、年間約70万円の電気代削減につながる。災害時には緊急用の電力として代用したい考えだ。
...(C)神奈川新聞

特別養護老人ホームはどこも経営が苦しい。かつての小泉改革、ではなく「改悪」により福祉予算ばバッサリ切り捨てらたため、国の補助金頼みの特別養護老人ホームは経営が非常に大変なのだ。かつ法の規制で職員の最低人数を確保しなければならないが、職員の在籍年数は短く、ということは職員確保のため人件費もかかる、ということでこれも経営を圧迫している。経営がまあまあうまく行っている施設は、他に有料老人ホームを経営しているところが多い。特別養護老人ホーム単独では経営は苦しいのだ。ということで、特別養護老人ホーム単独で太陽光発電設備を導入する事例は大変稀、ということになる。今日の事例はその大変稀な例なので、古い記事であるがご紹介する。

横浜の特別養護老人ホームけやき荘に太陽光発電設備が設置された。この出力は63キロワットで、その記事の時点では特養ホームの太陽光発電設備としては関東で最大規模、とのこと。この出力ならそうだろう。

太陽光パネルは屋上に350枚設置した、とのことだ。計算すると、太陽光パネル1枚当たりの出力は0.18キロワットだ。ということは、まあ標準的なシリコン系太陽光パネルと予想できる。

なおこの太陽光発電設備による電力は同ホームの使用電力の1割に相当し、年間70万円の電気代を節約でき、また、年間20トンの二酸化炭素排出を抑制できる、とのことだ。ということは、この特養ホームではいままで年間約700万円も電気料金を支払っていた、ということだ。金額の多さに驚かされる。

太陽光発電で歩くロボット

2011年05月09日(月)

太陽光発電で動く2本足ロボットの話題。信濃毎日新聞サイトの5月3日記事「二足歩行ロボットが諏訪湖畔で歩行実験 一周16キロ目標 」から一部を引用する。

諏訪東京理科大(茅野市)システム工学部機械システム工学科の市川純章准教授(42)と学生たちが2日、太陽光発電で動かせる人型の二足歩行ロボットに諏訪湖を一周させる実験を始めた。ロボットの活動範囲の拡大と性能向上に向け、屋外で必要な機能や強度、消費電力などを確かめる。約16キロの湖畔ジョギングロードを数日で歩き切るのが目標。はかま姿でゆっくりと歩く姿は観光客の注目も集めた。

市販のキットに発泡ウレタンで作った顔、衣装を付け、体長40センチ、重量約1・5キロ。発電パネルを荷車のように引きながら最高時速1・4キロで歩く。学生がコントローラーで直進や旋回、屈伸などのさまざまな動きを操作した。
...
石畳のある同市湖岸通りの諏訪湖間欠泉センター近くの「難所」では石と石の隙間に足を取られ、何度も転倒。立ち上がり、再び車を引いて歩き出すと、見ていた人から「頑張ってるなあ」との声も。操縦した4年生の酒井理江さん(21)は「試運転をした教室は平たんだったけれど、屋外では至る所に段差があって難しい」と話した。

初日はモーターの故障に、予想以上に転倒するトラブルも重なり、進んだのは予定の半分の3キロ。市川准教授は「問題点を修正し、連続して歩く時間を延ばしたい。人間の指示や操作を極力少なくして動かせるロボットを作るのが最終目標」と話していた。(C)信濃毎日新聞

どのようなシステムかはこの画像のとおりだ。2本足で歩くロボットは市販のキット。それに顔や羽織袴を着せ、太陽光発電パネルを載せたリヤカーを引かせる。これは諏訪東京理科大の研究室の実験だ。まあ、実用よりは学生の実験、という感じだ。

このロボットを、諏訪湖1週ジョギングコースの16キロを歩かせる実験だ。実際の道路では段差や石の隙間に足を取られて何度も転倒し、初日は3キロしか進むことができなかったそうだ。

この研究室は機会システム工学が専門なので、太陽光発電ではなくロボットのソフトやコントローラがメインテーマだろう。学生達、二本足ロボットで通常の道を歩かせることがいかに難しいか、また人間の歩行システムがいかに優れているか、実感したことと思う。

岡山県の太陽光発電への補助

2011年05月10日(火)

今日は岡山県の話題。5月8日の朝日新聞サイト記事”太陽光発電誘致を本格化 県「晴れの国」をPR”から一部を引用する。

「晴れの国」岡山の気候のよさを企業誘致に生かそうと、県は大規模太陽光発電所「メガソーラー」の誘致に乗り出した。福島第一原発の事故で自然エネルギー活用の機運が高まる中、停滞する地域経済の活性化につなげたい考えだ。

県の資料によると、岡山は降水量1ミリ未満の日が年間275.9日で、都道府県としては全国で一番多い。天候によって発電量が大きく左右される太陽光発電施設の誘致には、またとない好条件だ。

その利点を生かそうと、県は今年3月に策定した「おかやま新エネルギービジョン」に、メガソーラーの県内誘致を盛り込んだ。先月28日には、県内20カ所の候補地を発表し、本格的に誘致をスタート。2020年までに10件の誘致目標を立てている。

候補地は玉野市の塩田跡地、笠岡市の笠岡湾干拓地など、いずれも1ヘクタール以上の公有地や民有地。賃料を割安に設定し、発電施設の出力1メガワットあたり2千万円、最高1億円を県が補助する「特典」もつけた。
...(C)朝日新聞

岡山県は降水量1ミリ未満の日が年間で都道府県中で最も多い「晴れの国」とのこと。そのメリットを最大限生かすべく、岡山県はメガソーラーの誘致に乗り出した。

候補地は塩田跡地や干拓地など岡山県内20箇所。2020年までに10件の誘致目標を立てている。

そのための補助金は手厚い。メガソーラー出力1メガワット当たり2千万円、かつ最大1億円まで岡山県が補助する。1メガワット当たり2千万円、ということは出力1ワットあたり2万円だ。家庭用の太陽光発電で考えても、県レベルの補助としては金額が多い方になる。

それでは、家庭用の太陽光発電設備に対する補助はどうなっているのか、調べてみた。県のホームページ中の平成23年度 太陽光発電・省エネ設備設置促進補助金(住宅用)についてのページにその情報はある。主な内容は次のとおりだ。

岡山県では、太陽光発電及び省エネルギー設備の一層の普及促進を図るため、住宅用太陽光発電システムと併せて、県が定める省エネルギー設備を設置する場合(補助対象は1種類のみ)に、その経費の一部を補助します(太陽光発電設備の設置だけでは、補助対象になりません。)。
...
2 補助対象設備及び補助金額 (※補助金額は(1)と(2)の合計額)
(1)太陽光発電システム 【必須】
    出力1kW当たり3万円(上限9万円)

(2)省エネルギー設備 【補助対象は、下記のいずれか1種類】
   ・CO2冷媒ヒートポンプ給湯器(エコキュート)・・・4万円
   ・潜熱回収型給湯器(エコジョーズ、エコフィール)・・・3万円
   ・複層ガラス・・・ 3万円
   ・LED照明機器・・・ 3万円

【募集期間】
平成23年5月6日(金曜日) から 平成23年5月13日(金曜日) まで

【募集件数】
700件

残念なことに、太陽光発電設備の設置だけでは補助金は貰えない。他の省エネ機器設置と組み合わせなければならない。ただ、太陽光発電設備に対する補助金額は、出力1kW当たり3万円、上限9万円と、県レベルとしては多い。また、他の省エネ機器は、エコキュート・エコジョーズ・エコフィール・複層ガラス・LED照明機器のいづれか一つだ。機器により、3~4万円の補助金額となる。

これらの省エネ機器中で補助金額が多いのはエコキュートで4万円だ。県としてはエコキュートの使用を推進したい、ということがこの補助金額からわかる。しかし、エコキュートは省エネとは言えない。深夜電力を使うため電気代は安くなるが電力使用量は多いからだ。なので、お勧めしない。

ここで、この岡山県の補助で非常に面白いことがある。それは、申し込みが5月6日から13日までの1週間しかない、ということだ。そしてこの1週間で、700件を募集する。いくら県レベルとはいえ、連休を含む1週間で700件もの応募があるのだろうか。他県のことながら少々心配になる。

太陽光発電の付いたEV急速充電器

2011年05月11日(水)

京都府の、太陽光発電付きのEV急速充電器の話題だ。京都新聞サイトの5月9日記事「EV急速充電器、初設置 丹後地域で利用始まる」から一部を引用する。

電気自動車(EV)の急速充電器が丹後地域に初めて設置され、利用が始まっている。京都府内の南北をカバーする急速充電網が整ったことになり、府は「EVの購入の後押しにつながってほしい」と期待している。

...太陽光発電でEVを30分間で80%充電できる。

急速充電器は京都市や民間も含め丹後から南山城まで23カ所に整備された。府と市の充電器は無料。詳しい場所は府のホームページで紹介している。(C)京都新聞

京都府のホームページ中の電気自動車用休息充電器 設置状況によれば、京都府に設置された急速充電器は計23箇所で、そのうち11箇所が太陽光発電装置付きの急速充電器だ。なお計14箇所は京都府が設置したとのことなので、このEV用急速充電器の設置に対する京都府の意欲がわかる。

今回設置された太陽光発電付きの急速充電器はこのような外観だ。これを見ると、太陽光パネルは5枚のように見える。通常の太陽光発電パネルは1枚の出力が約0.2キロワットだから、計5枚で出力約1キロワット、と予想できる。当然、日照の無い・少ない時間での利用のため、蓄電池、恐らくリチウムイオン蓄電池を装備した設備と思う。

化石燃料を燃焼させて走行する通常の自動車と比べると、電気自動車(EV)は環境にやさしいので、京都府としてはEVの普及の後押しのため、急速充電器のインフラ整備を推進している、と思われる。

ただ、急速にEVが普及すると、その充電のため膨大な電力が必要になる。その電力を生み出すには、火力発電所の二酸化炭素か、原子力発電所の放射能物質排出が伴うことを忘れてはいけない。いま日本人は、原発事故を受けてエネルギーを浪費しない社会を目指さなければならない。その変革期のいま、膨大な電力需要が予想されるEVの急速な普及はあまり好ましくない。

北杜市の太陽光発電所

2011年05月12日(木)

山梨県北杜市の話題。朝日新聞サイトの5月11日記事「太陽光発電、一般家庭570軒分 北杜に施設開所」から一部を引用する。

山梨県北杜市長坂町に10日、市営北杜サイト太陽光発電所が開所した。5年間の実証研究を続けてきた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、太陽光パネルとシステムを市に一括譲渡した。発電量は県内最大級の2メガワット級で、一般家庭の消費電力に換算して約570軒分の電力を賄うことができるという。

市は4月から電力小売会社「エネット」(東京)を通じて電気を売っている。この日は開所式の後、電気を購入する大手総合商社の担当者らが、エネルギー変換効率や出力特性などが異なる国内外の27種類にのぼる太陽電池を見て回った。市環境課によると、昨年は県内外の約5千人が視察に訪れている。市は「環境観光」の拠点としてクリーンエネルギーの取り組みをPRするという。(C)朝日新聞

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこの5年間にわたり大規模太陽光発電の実証実験を行ってきた。このブログでも2009年12月6日記事「大規模太陽光発電設備からの送電実験」等に書いた。

このNEDOの大規模太陽光発電所が実験終了に伴って北杜市に引き渡され、北杜市営北杜サイト太陽光発電所としてオープンした。

このメガソーラーの出力は、2メガワットだ。上記引用記事によれば、その出力は一般化手570軒分とのことだ。一方、上記の2009年末の当ブログ中の引用記事中では、その出力は1.8メガワットと少し少ないにもかかわらず一般家庭600軒分の電力、とのことだった。記事の書かれた間隔は1年半だが、その間に家庭の使用電力量平均が増えているのかもしれない。

この施設は実験施設ということで、通常のメガソーラーとは異なる面がある。上記引用記事のとおり、設置されている太陽光パネルは27種類に上る。通常の太陽光発電所なら1種類なのに。これは、様々な太陽光パネルの能力・機能のテストのため国内外の多数の太陽光パネルをそろえて実験を行っていたからだ。

この北杜サイト太陽光発電所は見学が可能だ。北杜サイト太陽光発電所によれば、事前に申し込めば水曜日のみ、説明員付きで見学が可能だ。このご時勢、発電所という重要施設なので通常の発電所ではセキュリティの点からこれほどは開放していないだろう。

なお山梨県ではメガソーラーが着々と建設中だが、この施設は現段階では太陽光発電所として県内最大級の発電量、とのことだ。


QLOOK ANALYTICS