2011年7月 | 燦燦太陽光発電.エコ

2011年7月

太陽光パネル+蓄電池の安価な電源装置

2011年07月01日(金)

前回記事に引き続き太陽光パネルの付いた電源装置の話題。朝日新聞サイトの6月24日付けの石川版記事”「金沢発」蓄電装置に注文殺到”から一部を引用する。

◆ベンチャー開発 ソーラーつき小型で低価格◆

暑い夏に向けた節電対策が全国で急務となる中、金沢市のベンチャー企業「リプラス」が開発した小型の蓄電装置が人気を呼んでいる。太陽光発電パネルつきで4万9800円と、エコで低価格なのが受け、注文が殺到。販売数は昨秋の発売当初の約20倍、月500台規模に達している。

商品名は「リプソーラーミニ」。縦横30センチ前後、重さは7キロで、女性でも持ち運びできる。付属の太陽光パネルを使えば晴天なら2日で充電が完了。家庭のコンセントからだと約10時間で充電できる。エアコンなど消費電力の大きな家電には使えないが、ノートパソコンで8時間、液晶テレビ(19型)で2時間、付属のLEDライトは約20時間使える。
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震災を機に大手メーカーも家庭用蓄電池の開発を加速させているが、消費電力の大きな家電にも対応できるよう、大容量だが高価なリチウムイオン蓄電池を使った数十万円の製品が主流だ。リプソーラーミニは、低容量だが安価な鉛蓄電池を使って価格を抑えた。
...(C)朝日新聞

この製品の外観は画像のとおりだ。太陽光パネル、蓄電装置とも大変小さく、持ち運びも簡単。これは金沢市のベンチャー企業の開発した製品で、急速に売り上げを伸ばしている、とのことだ。

この装置は、縦横が30センチ前後で重さや約7キロと、小さい。ということは蓄電池の能力も小さく、液晶テレビ(19型)で約2時間しか使えない。また充電時間は、家庭用コンセントからは約10時間、太陽光パネルの場合は晴天時に2日、とのことだ。

この製品のさらに詳しい情報は、メーカーサイトのとおりだ。それによれば、100V出力のためには別途インバーターが必要、とのこと。そして園インバーターの価格は書かれていないが、よくこのページを見ると、7月末までに注文すればインバーターがプレゼントされる、とのことだ。かなり価格が安いインバーターと思われるので、車載用のインバーターだろう。

価格は4万9800円と、太陽光パネルの付いた電源装置としては破格の安さだ。ということは、もちろん蓄電池は、鉛蓄電池だ。確かに安いのだが、出力は小さい。目的を考えて合致すれば、かなりお買い得製品、とは言えよう。

道路サービスエリアに太陽光パネル設置

2011年07月04日(月)

西日本新聞サイトの6月30日記事「太陽光パネルを1万平方メートル設置 山田SA 西日本高速道路が発表」から一部を引用する。

西日本高速道路は29日、大分自動車道下り線の山田サービスエリア(SA、福岡県朝倉市)に広さ計1万平方メートル、出力千キロワットの大規模な太陽光発電パネルを設置すると発表した。建て替える店舗棟は、発光ダイオード(LED)照明や高効率空調で消費電力を約3割削減し、電力の“自給自足”を目指す。生ごみ堆肥化などにも取り組み、二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目標に全国初の「エコSA」へと生まれ変わらせる。

太陽光パネルは、レストランや売店などが入る店舗棟の屋根に800平方メートル、トイレ棟に300平方メートルを設置。残りは、敷地内の緑地や周囲ののり面に並べる。昼間は余剰電力を電力会社に売却し夜間の電気代を賄う。
...(C)西日本新聞

高速道路に太陽光発電設備を設置する話題はこのブログで数回書いた。2009年12月3日記事「第二京阪道の遮音壁に太陽光発電パネル設置」と、2010年1月21日の「出力2メガワットもの太陽光発電が高速道路に設置」ならびに2011年6月13日記事の「高速道路設置の太陽光パネル」だ。前者は道路の遮音壁への設置で出力は120キロワットと小規模だ。後者は道路の空洞の梁に設置し出力は2000キロワット(2メガワット)と、こちらの規模は大きい。

当ブログの過去記事では上記のとおり道路に太陽光発電設備を設置する話だった。今日の話題はそれと異なり、自動車道路のサービスエリアへの設置だ。

設置場所は、大分自動車道下り線の山田サービスエリア(福岡県朝倉市)。設置面積は1万平方メートルと大変広い。その出力は、1000キロワット、つまり1メガワットだ。この規模はもうメガソーラーだ。今回はこの計画の発表であり、完成イメージ図のとおりだ。

通常の太陽光パネルの面積は1.5平方メートル程度だ。今回のサービスエリアの太陽光パネル設置面積は1万平方メートルで出力が1000キロワットなので、計算すると、使用されている太陽光パネルの出力は通常の1.5平方メートルで0.15キロワットとなる。もし太陽光パネルの太陽電池がシリコン単結晶型なら出力は1枚0.2キロワット程度なので、このサービスエリアで使用されている太陽電池はシリコン単結晶タイプの約7.5割程度、ということになる。おそらく、多結晶シリコンか薄膜タイプと予想できる。

もちろん余剰電力は電力会社へ売電するとのことだ。

太陽光発電と風力発電を組み合わせた照明灯

2011年07月05日(火)

太陽光発電と風力発電を組み合わせて半永久的に発電するユニークな機器の話題だ。朝日新聞サイトの7月5日付けの日刊工業新聞記事「コムターズ、風力と太陽光融合したLED照明灯を開発」から一部を引用する。

コムターズ(大阪府枚方市...)は、風力発電と太陽光発電を組み合わせたハイブリッド型の発光ダイオード(LED)照明灯を開発した。発電出力300ワット、同500ワット、同1キロワット、同1・5キロワットの4種類を用意した。発電出力に応じて1週間から1カ月間の無発電点灯を可能にした。東日本大震災のような災害時の非常用電源としても使用できる。

太陽光と風力で半永久的に発電する。価格は同300ワットの場合に250万円からで、近く受注を始める。公園や橋梁の歩車道、学校や駐車場、広域避難場所への設置を提案する。2011年度に100台、12年度に500台の受注を目指す。

交流(AC)100ボルトのコンセントを標準装備した。被災地で停電が長引いた状況を踏まえ、バッテリーを取り外して持ち運べるようにした。標準バッテリーは鉛蓄電池だが、リチウムイオン二次電池に切り替えられるように開発を続ける。
...(C)日刊工業新聞

この製品は、太陽光発電と風力発電を組み合わせたLED照明灯。出力は、300ワット、500ワット、1キロワット、1.5キロワットの4種類の製品がある。出力によって異なるが、1週間から1ヶ月の無発電点灯が可能、とのことだ。この期間に日照と風力がずっとゼロは考えられないので、記事のとおり半永久的な発電・点灯が可能ということだ。

主な想定用途は、公共場所への設置。そのため、100ボルトのAC出力コンセントも装備してある。緊急時にはその出力が役に立つだろう。

もちろん、日照も風力もゼロとなる瞬間はあるだろうから、蓄電池は内臓してある。現在は鉛蓄電池だが、将来はリチウムイオン蓄電池に切り替えられるようにする、とのことだ。

ただ、価格は安くはない。一番出力の小さな300ワットのタイプで250万円から、という価格設定だ。ただ、公共場所での半永久的発電による照明灯は、震災を受けて根強い需要があると思われる。

太陽光発電と太陽熱利用システムを特別養護老人ホームが設置

2011年07月06日(水)

毎日新聞サイトの6月25日山梨版記事「特養ホーム:太陽光で発電、太陽熱で暖房 大月に開業 /山梨」から一部を引用する。

太陽光と太陽熱を利用した特別養護老人ホーム「山美家(やまびこ)」が、大月市初狩町下初狩にオープンした。

太陽熱は、入居者棟など4ユニットの屋根に設置した集熱パネル(175平方メートル)で取り込む。その熱で空気を暖めて床下の蓄熱コンクリートに蓄えることで、建物全体を床から暖め、各室内の床噴出し口から微風となって吹き出す。このシステムは主に冬の暖房用として使用される。

春、夏、秋は「お湯採り」機能を活用する。熱い空気でお湯採りコイル内の不凍液を暖め、貯湯槽に循環させる。一つの貯湯槽で300リットルが30~50度の湯になり、風呂やシャワーなどに利用される。

太陽光発電では最大2万7000ワットの発電が可能。施設で使う電力の4分の1~3分の1分を賄える見通し。

設置費は集熱パネル約3400万円、太陽光パネル約1500万円。同施設は地域密着型で、入所定員29人、介護1以上で、大月市民に限っている。(C)毎日新聞

特別養護老人ホームに太陽光発電設備を設置した事例はあまり多くない。このブログでも、今年5月1日記事「特別養護老人ホームに太陽光発電」で書いたのみだ。特別養護老人ホームは経営の苦しい施設が多いので、なかなか太陽光発電の設置まで行えないのだ。

今日話題の山梨県大月市の特別養護老人ホームは、太陽光発電のみならず太陽熱も利用している。太陽光発電の出力は2万7000ワット、つまり27キロワットとのことなので、一般家庭5~7軒分の出力だ。この太陽光発電設備の設置費は約1500万円とのこと。割り算をすると、太陽光発電の出力1キロワット当たりの設置費用は約56万円となる。結構安い価格と思う。なお、このシステムで施設で使用する電力の1/4~1/3を賄える、とのことだ。

太陽光発電と一緒に設置された太陽熱システムはユニークなシステムのようだ。冬は、太陽熱を床下の蓄熱コンクリートに蓄えて床から建物を暖め、各部屋から温微風を吹き出す。冬以外の季節は、不凍液を暖める方式で太陽熱をお湯として利用する。冬は暖房、冬以外は太陽熱温水器のように太陽熱を利用する、あまり聞いたことのないシステムだ。この太陽熱利用システムは高価で、設置費は約3400万円、とのことだ。

太陽光発電と太陽熱利用システムで、この特別養護老人ホームはかなり高度に太陽エネルギーを利用していることになる。今後は一般家庭でも、太陽光発電のみならず太陽熱も有効に利用するシステムの設置が望まれる。

三洋電機がHIT太陽電池を納入した大規模太陽光発電所が完成

2011年07月07日(木)

三洋電機サイトの7月1日ニュースリリース記事「HIT太陽電池モジュール搭載システムとして世界最大 イタリア南東部に大規模太陽光発電所が完成」から。

三洋電機のHIT※1太陽電池が採用された、イタリア南東部(プーリア州 ブリンディジ県)の大規模太陽光発電所が、このほど、完成しました。

本大規模太陽光発電所は、高い発電効率を持つHIT太陽電池モジュール(HIT-235HDE4)が32,202枚搭載(約7.6MW分)された、 HIT太陽電池の納入案件としては、世界最大のシステムとなります。また、発電量を増大させるためにトラッキング(太陽追尾の駆動式架台)が設置されており、トラッキングシステムの太陽光発電所としては、欧州最大規模を誇ります。


この太陽光発電所建設プロジェクトは、ドイツ銀行資産運用部門が主導するコンソーシアムにより実現したもので、長期の投資効果を重視し、 HIT太陽電池の設置面積当たりの発電量の多さと品質の高さが、採用の決め手となりました。発電効率の高さから小・中規模システムを中心に強い競争力を誇るHIT太陽電池が、今回の大規模太陽光発電所に採用されたことで、大規模システムにおいてもHIT太陽電池に優位性のあることが認められたことになります。
...

※1
HITは三洋電機株式会社の登録商標であり、オリジナル技術です。(C)三洋電機

このブログの2010年5月28日記事「三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所にHIT納入」に、イタリアの大規模太陽光発電所に三洋電機が出力7567キロワットの太陽電池を納入する話題を書いた。今日の引用記事によれば、そのイタリア南東部(プーリア州 ブリンディジ県)の大規模太陽光発電所が完成した。出力、そして納入した太陽光パネル枚数3万2202枚に変更は無い。全体図のとおりだ。

前回ブログ記事に無かった新たな情報として、この大規模太陽光発電所は太陽追尾式ということだ。この太陽追尾式としては欧州最大規模の太陽光発電所とのことだ。太陽追尾式の太陽光発電は太陽の向きにあわせて太陽光パネルの向きを変えるので、発電効率が少し良くなる。

そもそも三洋電機お家芸のHIT太陽電池は、変換効率が大変高い。出力も太陽光パネル1枚当たり0.23キロワットと、通常の単結晶シリコン型太陽電池の0.2キロワットよりも高い。(このHIT太陽電池欲しさにパナソニックは三洋電機を吸収合併した。)

この変換効率の高さ故に、価格は少々高い。なので、このHIT太陽電池は日本の家屋の屋根のように、設置面積が限られた場所で高い出力を得るための太陽電池、太陽光パネル、と考えられてきた。そして逆に、設置面積が非常に広い大規模太陽光発電所には変換効率は低いが価格の安い太陽光パネルを設置するのが常識だった。しかし、今回のイタリアの大規模太陽光発電所では、変換効率が高く(価格も割高の)HIT太陽電池が採用された。これは、前回ブログ記事にも、上記引用記事にもあるとおり、電力ビジネスなので高効率が決めてとなってHITが採用された、ということだ。この実績をもって、上記引用記事にあるとおり、三洋電機は小・中規模だけでなく大規模太陽光発電まで競争力のあることが証明されたことになる。


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