九州電力の鹿児島県の離島におけるマイクログリッドの実験

離島でのマイクログリッド実験

2010年04月22日(木)

このブログの1月18日記事「宮古島のスマートグリッド実験の太陽光発電所を東芝が受注」で、沖縄電力が今秋から宮古島で計画しているスマートグリッド実験について書いた。今日の話題は、九州電力が鹿児島県の離島で行うスマートグリッド実験だ。毎日新聞サイトの4月21日記事”自然エネルギー活用「マイクログリッド」 九電、離島で実証試験”から一部を引用する。

◇鹿児島の6島で稼働 CO2削減期待

九州電力は20日、鹿児島県三島村の黒島など六つの離島で、自然エネルギーを活用した電力供給システム「離島マイクログリッド」を完成させ、国内初の実証試験が始まった。日本全国の離島の約7割を管内に持つ九電にとって、エネルギー効率の改善や二酸化炭素(CO2)削減につながるなど期待は高まっている。

黒島は鹿児島市からフェリーで約5時間。人口180人、98世帯の小さな島に20日、太陽光発電と風力発電を組み合わせ、太陽光などを蓄える蓄電システムを備えた「ミニ発電所」が稼働した。出力10キロワットの太陽光パネル6枚と、10キロワットの風力で、島民が使う電力の最大30%程度がまかなえる。
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今回の実証試験は13年3月まで、黒島のほか、竹島、中之島、諏訪之瀬島、小宝島、宝島で実施する。黒島以外の五つの島では、7・5~15キロワットの太陽光発電システムを設置し、使用電力の最大8~13%をまかなえる。
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ただ、太陽の照り具合や風の強弱で出力が大きく変動するなど、自然エネルギー活用には課題も多い。特に太陽光は、日中に発電のピークを迎えるが、電気需要は日没後の点灯時間帯がピークだ。このため今回は、従来の鉛蓄電池に比べ出力が4倍で寿命も長いリチウムイオン電池を導入。蓄電池やコンピューターの制御で、昼間に蓄電した余剰電力を夕方に回したり、晴れ曇りにかかわらず、出力の一定化を目指す。

九州は、長崎県や鹿児島県を中心に離島が21カ所もあり、離島に対する電力安定供給は九電にとって大きな課題の一つだ。九電は今回の実証試験により、他の離島での利用拡大や、九州本土でも自然エネルギーの利用増につなげたい意向だ。(C)毎日新聞

このブログでマイクログリッドという言葉を使用するのは初めてだ。スマートグリッドとはどのように違うのだろうか。上記引用記事の最後に解説があった。

■ことば
◇マイクログリッド

太陽光や風力などの自然エネルギーと蓄電池などを複合的に組み合わせた電力供給システム。大規模な発電所が造れない離島などでの活用が期待されている。九州電力のほかにも、沖縄電力などが今夏、沖縄県宮古島などで実証試験を開始する計画。(C)毎日新聞

これはスマートグリッドの定義と同じだ。そもそも解説最後の宮古島の実証実験においては前回ブログ記事の引用記事ではスマートグリッドになっていた。この定義では、マイクログリッドのほうがスマートグリッドよりより小規模・限定地域のようなニュアンスはある。

さて今回の九州電力の鹿児島離島でのマイクログリッド実験は、先の沖縄電力の宮古島での実験よりかなり小規模だ。宮古島での実験は出力4メガワット(4000キロワット)の太陽光発電所を建設するのに対し、鹿児島の黒島の実験は60キロワットの太陽光発電設備と10キロワットの風力発電と、非常に小規模となっている。黒島はこの能力で島で使用する電力の30%を賄えるというのだから、かなり小さな島とわかる。今回の実験は、この黒島だけでなく計6つの島で行われる。他の島でも7.5~15キロワット程度の太陽光発電システムを設置するが、これは各島の使用電力の8~13%相当、とのことだ。

このマイクログリッドシステムには蓄電池システムが付随する。蓄電池としては高性能のリチウムイオン電池を使用。コンピュータ制御で蓄電池出力を制御し、安定した出力とするシステムだ。これこそマイクログリッドだ。でもスマートグリッドと言っても全く問題ないが。。。

この実証実験は、九州電力にとって離島での電力安定供給への重要な意味を持つようだ。


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