ハウステンボスの新しい船は太陽光発電の電力だけで9時間航行可

太陽光発電の電力だけで9時間航行できる船

2010年03月30日(火)

読売新聞サイト長崎版の3月30日記事「HTB新目玉 ソーラーシップ来月運航」から一部を引用する。

佐世保市のハウステンボス(HTB)などが、国内で初めて太陽光発電で全動力を動かす旅客ソーラーシップ「アルクマール号」を開発し、29日、報道関係者に公開した。4月1日から、運河で営業しているカナルクルーザー(600円)の1隻として使われる。新生HTBの新たな目玉として期待される。

アルクマール号は長さ約14メートル、幅4メートルで、重さ13トン。51人乗りで、通常運航されていたクルーザー12隻の1隻を改造した。屋根の全面に太陽光発電用のパネル(縦約80センチ、幅約40センチ、厚み約3ミリ)を70枚張り、年間3000キロ・ワット・アワーを発電。内部には、蓄電用のリチウム電池が12基あり、2時間充電すれば、9時間は電池のみで運航できる。

環境に優しいエネルギーの普及を進める「長崎次世代エネルギーパーク」事業の一環で、HTBが造船会社などと共同で、2007年度から試験運航などをして、実用化にこぎ着けた。県の助成も含めて総事業費は約5800万円。
...(C)読売新聞

佐世保といえばハウステンボス。そのハウステンボスに太陽光発電だけで全動力を賄うことができる船が登場した。場内の運河で航行しているクルーザーの一隻を改造した、とのこと。船は13トンで51人乗り。その屋根に設置した太陽光発電パネルは、80センチ×40センチを70枚貼った。年間発電量は3000キロワット時、とのことだ。そして発電した電力は12基あるリチウムイオン電池に蓄電し、2時間の充電で9時間もの時間、電池のみで運航できる、とのことだ。

年間発電量が3000キロワット時ということは、出力は3キロワット程度だろう。小規模な住宅用太陽光発電システムと同じ能力だ。太陽光パネルの設置面積は、0.8m×0.4m×70枚 = 22.4平方メートルだ。通常の太陽光発電パネルなら、1.5平方メートルで出力0.2キロワット程度なので、この船に搭載された太陽光発電システムが通常のタイプと仮定すると、22.4平方メートル÷1.5平方メートル×0.2キロワット ≒ 3キロワットとなり、実際の数字と一致する。従って、通常の(恐らくシリコン系の)太陽光パネルが設置されているに違いない。

約3キロワットの出力で2時間充電すると9時間航行できるとは、この船の消費電力はかなり少ないだろう。船を動かすモーターの消費電力も少なく効率の良いことが予想される。

それにしてもこのクルーザー1隻の改造事業費が5800万円と高価なのには驚いた。蓄電池を含め、また推進用モーターの開発・設置にも費用がかかったと思われる。

この船は実証実験的な意味合いが強いと思うが、家庭用太陽光発電システム1軒分と同じ能力で13トン、51人乗りの船が9時間、電池だけで動くとは、実験は大成功だろう。


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