三洋電機はイタリアの出力7567KWの大規模太陽光発電所にHIT納入

三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所にHIT納入

2010年05月28日(金)

5月27日のSankeiBizサイト記事”三洋電機、過去最大の太陽電池受注 高性能「HIT」型、市場拡大へ”から一部を引用する。

三洋電機は26日、イタリアの大規模太陽光発電所(メガソーラー)に出力7567キロワットの太陽電池を納入すると発表した。納入するパネルは3万2202枚の同社製「HIT太陽電池」。ドイツ銀行が主導するコンソーシアム(共同事業体)が9月の完成を目指してイタリア南東部に建設する発電所が採用を決めた。世界的に環境配慮への意識が高まっているのを背景に、需要拡大が続く太陽電池事業を強化、主に産業用での採用を働きかける方針だ。

受注金額は明らかにしていないが、三洋としては過去最大の受注案件となる。

発電所は、ドイツ銀の資産運用部門などが出資するSPC(特別目的会社)が事業主体。イタリアでは、太陽光で発電した電力を買い取る制度が整備されており、太陽光発電の売電ビジネスが活発化しているという。ドイツ銀は、SPCの持ち分を金融商品にして、売電事業による利回りを求める投資家に販売する。

単結晶シリコンと薄膜系のアモルファスシリコンを組み合わせた複合型のHIT太陽電池は、発電効率が20%と一般的な太陽電池に比べ5ポイント程度高く、設置スペースが限られている住宅向けに適しているとされてきた。今回、広大な設置面積を確保できる発電用にも納入できたのを機に、産業用への拡大を図っていく。(C)SankeiBiz

三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所に出力7567キロワットの太陽電池を納入すると発表した。納入するのは三洋電機の高性能なHIT太陽電池による太陽光パネル3万2202枚。この数字から、このHIT太陽光パネル1枚当りの出力は、7567キロワット÷3万2202枚 ≒ 0.23キロワットだ。通常の単結晶型の太陽光パネルの出力が約0.2キロワットだから、このHIT太陽電池は能力が高いことがわかる。

この話題の面白いところは、大規模太陽光発電所に納入される太陽電池が高性能型の太陽電池ということだ。大規模太陽光発電所は設置面積がかなり広い。なので通常は、能力はそれほど高くないが価格が安い、薄膜型太陽電池が一般的だ。ところが今回の案件はそうではなく、太陽光発電パネル商品としては最も能力の高いHIT太陽電池が使用される。それは、この発電所が金融商品だからだ。

この発電所はドイツ銀行が主導して設置し、ドイツ銀行の持分を金融商品にして売電による利回りを追求する金融商品、という位置付けである。このような太陽光発電を利用した金融商品が成り立つのは、さすがに売電価格の高いヨーロッパならでは、だ。

この引用記事の後半は、三洋電機の状況を的確にまとめた良い記事だ。次のとおりだ。

■高い製品力実証 強力な武器に

太陽電池市場では、原材料となるシリコンの使用量が、従来の「結晶型」に比べて100分の1程度で済む低コストの「薄膜型」が伸びるとみられている。発電効率は約10%と結晶型に比べて半分だが、価格が安く、産業用での導入が進むことが期待されている。すでに国内首位のシャープが薄膜型の新工場を稼働させるなど、各メーカーは攻勢をかけている。こうした中、三洋が薄膜型ではなく、結晶系のHIT太陽電池で発電所向けに納入を決めたことは、三洋の製品力の高さを改めて立証した格好だ。

三洋は「薄膜型」の太陽電池も手掛けている。すでに新日本石油と折半出資会社を設立し薄膜型の研究開発を進め、今年度中に生産、販売を行う計画だ。

これにより産業用については、顧客の要求に応じて、高出力のHIT太陽電池か低コストの薄膜型を提供できるようになる。

低コストだけでなく技術力の高さを武器に、三洋は成長が見込まれる産業分野で優位性を大いに発揮しそうだ。(C)SankeiBiz

まとめると、三洋電機は高性能のHITと、価格の安い薄膜型の両方を事業化している。顧客の要求に応じてそれらを提供できることは非常な強みだ。


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