太陽光パネルに水を流して発電効率アップする製品が開発

太陽光パネルに水を流して発電効率アップ

2011年04月07日(木)

少し前の話題だがユニークな技術なので紹介する。読売新聞サイトの2010年12月27日記事「太陽光で発電・給湯同時に…長崎」から一部を引用する。

長崎のメーカー パネル開発

長崎県長崎市の制御機器メーカー「メックシステム」(寒川忠則社長)は、太陽光発電と太陽熱温水が同時にできる集熱パネルを開発した。

パネル内部に水を流し、温度上昇を抑えて発電効率を維持するとともに、温まった水を利用する一挙両得の仕組みで、長崎総合科学大(長崎市)の技術支援を得て実現した。来年度中の販売を目指している。

同社によると、一般的にパネルの表面温度が上がると発電効率は低下する。最も発電効率がいい表面温度は20~22度で、約40度になると10%、60度を超えると最大30%までそれぞれ下がるという。

同大の辻史郎客員教授が数年前、ソーラーカーレースを観戦していた際、チームがピットでソーラーパネルに水を浴びせ、発電効率を上げようとするのを目にしたのがきっかけ。発電と温水を併用出来るシステムを考案した。

同社は約1年前に開発に着手。パネルと表面の強化ガラスの間に冷却層をつくり、そこに水を流すようにした。水漏れ対策が最大の課題だったが、車のテールランプカバーを車体に固定するための接着剤をヒントに、パネル周辺に特殊なシールをはることで解決した。

今年度中に実証実験を行い、2011年度から発売する計画。パネル(縦1・5メートル、横1メートル)は一般家庭用では24枚が必要で、価格は500万円前後を想定している。...

太陽光パネル、特にシリコン結晶型は高温に弱い。この引用記事にもあるが、太陽光パネルの最も変換効率の高い表面温度は20~22度。40度では10%減、60度では30%減となってしまう。真夏の太陽光パネルは60度近いのではないか、と想像する。

そもそも太陽光電池は、太陽エネルギーを電気に変換する変換効率は高くはない。太陽光発電パネルの製品では、せいぜい20数%だ。一方、太陽熱温水器は太陽エネルギーの50%以上を利用できる、とされている。では、これらの技術を合体しよう、という製品が今日の話題の太陽光パネルだ。

これを開発したのは、長崎のメックシステム。同社のホームページを見たがこの話題が掲載されていないのは大変残念だ。企業イメージアップのチャンスなのに。

この新太陽光パネルは、パネルと表面の強化ガラスの間に冷却層をつくりそこに水を流すしくみだ。すると、太陽電池の表面温度は上昇が抑制され、また冷却層を流れた水はお湯となって利用できる、という優れた技術だ。

ただ、価格は少々高い。新太陽光パネルのサイズは1.5m×1mとのことなので、標準のサイズだ。これが24枚で約500万円とのこと。24枚ということは、1枚の出力を0.2kWとすると、合計出力は4.8キロワットとなる。家庭用太陽光発電システムとしては大きな方か。ただ、温水装置が付加されるとはいえ、価格は少々高く、優れた商品だが普及はそれほど進まないのではないだろうか。ライセンスを大メーカーに売ってそのメーカーが大量生産して価格ダウン、がベストな解かもしれない。それはともかく、非常に期待できる商品であることは確かだ。


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