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ウィーンの原子力発電所が太陽光発電所に

2009年11月17日(火)

太陽光発電が普及してくると原子力発電所も復活する。エコ志向人間はえっ、と思うだろうがこれは本当の話だ。太陽光発電は天候に発電量が左右される。供給電力のうち太陽光発電の割合が増えると、電力供給が不安定になる可能性がある。その解決策の一つがスマートグリッドなのだが、電力会社は電力安定供給のために原子力発電所の増設を考えている。将来全部の原子力発電所を停止することが決まっていたドイツすらその政策を見直し、エコ社会が実現するまでという前提ながら原子力発電所の復権に踏み切った。このような流れの逆の話題はないかと探したところ、見つけた。

オーストリアの話題だ。半年ほど前と少々古い話題だが、共同通信の6月26日記事から一部を引用する。

ウィーン近郊に1970年代に建設され、一度も運転することなく廃止されたツウェンテンドルフ原子力発電所で太陽光パネル300枚が設置され25日、発電が始まった。不要になった原発で太陽光発電を行う例のない試みで、計画を進めた地元電力会社は「エネルギーの将来を考える上で歴史的な日だ」と述べた。

ツウェンテンドルフ原発はウィーンの西約50キロにあり、オーストリア唯一の原発として完成状態にあったが、1978年の国民投票で操業しないことが決まった。発電所の施設はその後、地元電力会社が買収し、国外の原発技術者の訓練が行われている。

電力会社は120万ユーロ(約1億6千万円)をかけて原子炉建屋の屋上やその周りに太陽光パネルを設置した。来月中に計1千枚に増やす予定で、年間の発電電力量は18万キロワット時と、好天時の日中には数百世帯分の電力を賄えるとしている。(C)共同通信

ウィーン近郊にあり1970年代に建設されたオーストリア唯一の原子力発電所は、1978年の国民投票で一度も運転することなく廃止が決まった。1978年というともう30年前。そのような昔に、オーストリアは「反原発」の意識が高い国だったのだ。

そしていま、その運転されていない原子力発電所に太陽光発電システムが設置された。年間の発電量は18万キロワット時、というから、出力はだいたい180キロワットクラスと、大きな設備ではない。建設費は円換算で1億6千万円とのことなので、1キロワット当たりの建設単価は90万円程度。この記事が書かれた6月はユーロ高と思うので、円換算では少し高めになるかもしれない。どちらにしてもまあ順当な建設費だし、原子力発電所が太陽光発電所に装いを変えてスタート、ということは実に意義深い。

このオーストリアの状況を見て、原子力発電所の復権を果たしたお隣ドイツの市民はどのように感じているのだろうか。


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